もともと涙もろい方ではあったが,最近酷い。
しょっちゅう泣いている。
今日だけでも『過保護のカホコ』(先週分)を観て泣き,吉田秋生『きつねのよめいり』を読んで泣いた。一日で2回泣いたことになる。
最近だと小川洋子『人質の朗読会』も泣いた。
某国で反政府組織に捕らわれた人質たち。
しかし救出作戦中に全員が死んでしまう。
捕らわれていた期間,人質たちは,各々が各々の言葉で綴った自分たちの物語を読み上げる朗読会を開いていた事が,彼らの死後,明らかになる。
いつ死んでもおかしくない状況で語られる,それぞれの人生を象徴するような物語。
その,人質たちの語る物語が泣けるのだ。
人間であることが痛くて,温かくて,一話毎に泣ける。
そして愛しい。汚いぬいぐるみを売る目の不自由な汚い老人,会う人会う人に「祖母に似ている」と言われる女性,人生の不思議と奇妙が,無性に愛しくなり,更に泣ける。
そして各々の物語の最後には,語り手の名前,年齢,その国を訪れていた理由が,ごく簡単に書き記される。
そこでも泣ける。
むしろそれだけで泣ける。
“ほんとうにこの世に存在したかもしれない彼もしくは彼女”,人が一人生きていくという重みに涙が出る。
うーん。
こんなに涙腺ガバガバで大丈夫だろうか。自分が心配。
とりあえず『人質の朗読会』はおすすめの一冊です。
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