沼田まほかるさんの本を,最近よく読む。
「彼女がその名前を知らない鳥たち」から始まって「ユリゴコロ」「九月が永遠に続けば」を最近読了した。
沼田まほかるさんは,若くして主婦となり,僧侶や会社経営などを経て,56歳で作家デビューされた。
作家になるまでに,離婚や経営していた会社の倒産なども経験されたそうだ。
きっと,わたしなどが窺い知れぬ様々な経験をされ,あらゆる感情を抱いて来られたのだと思う。
“若いみずみずしい感性”という言葉がある。
否定はしない。
特に子どもの発想なんかには驚かされる事が多い。
しかし,だ。
じぶん自身を鑑みても,新しい経験を積む度知らなかった感情に出会うし,確かに十代後半の,箸が転がっても腹が立つみたいな荒ぶりはなくなったけれども,昔より色々な事が感じられるようになった分,感性の水分保有量は増している気がする。
歳を取れば感受性は豊かになる。
理屈で言えば,そうだと思う。
ただ,豊かになる分傷つきやすくなる。
それなのに,大人と分類されるようになれば,広い場所に出ていかざるを得ない。
守られる立場から,守らないといけない立場になる。
だから,自分を守るために感性を堅くする。
傷つかないように。
大人なんて,がんばって大人のふりしてるだけで,子どもの方がよっぽど強くて時に残酷なような気が,わたしはする。
“自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ”
茨木のり子さんの有名すぎる詩の一節。
常に変わり続ける勇気と,くだらんプライドを持たない努力。を,わたしは心がけたい。
大人は子どもよりも,ずっとすばらしいはず。
じゃないと,なんで生き続けるのかよく分からんですもん。
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