2017年9月8日金曜日

9.7 演劇を続ける理由。

某女史と「何だかんだいって,まだ演劇を続けていられることが奇跡だ」という話になった。

某女史は,演劇系の学校を卒業した後,一度就職したが,ひょんな事から小劇場の舞台に立ち,再びこの世界に戻ってきた。

女史曰く,その芝居自体は“糞みたい”だったとの事だが,観に来てくれた先輩から「演劇の神様に呼ばれたんだね」と言われたそうだ。

女史は今も,その先輩の一言が,強く心に焼きついているという。

わたしも昔,お世話になった映画監督の方から言われたことがある。

「自分の意思とは関係なく,やりたくてもできない時が来る。できるってことは,神様がやれって言ってるんだよ」

わたしが折に触れ,思い出す言葉だ。

なぜ今も演劇を続けているのか,という問いに一言で答えることはとても難しい。

好きだから。だけではもはや済まない。
因縁,もしくは人生をかけた実験。

わたしはまだ当分演劇をやっていくのだろうと思う。出来る限り。神様がやんなよとおっしゃる限り。

ただ,以前演技講師をしていた時,巣立ってゆく教え子たちに伝えていたことだけは,自分でも決して忘れまいと思うのだ。

「あなた方の人生の目的は,演技を続けることではありません。
幸せになることです。
どうか幸せになってください」





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